3.11後の大家業はどうなる?! (浦田 健)

2011-07-06

浦田 健(うらた けん)

「大震災が起こって、これからどうなるの?」
3月11日以来、私の元にも、たくさんの大家さんから不安の声が寄せられています。あなたは、これから先の日本、いったいどうなると思いますか?

これからの世の中は、ほぼ間違いなく「不確実性」の世の中となるでしょう。
私たちは目にしました。「絶対安心」といわれていたものも、地震、津波がくれば一瞬で壊れてしまう…ということを。恐らく、私たちが生きている間に、もう一度や二度、大きな危機が訪れるでしょう。私は予言者ではありませんが、そうなると予測して備えておかなければ、生きていけない時代になったのは確かです。

ではいったい、どのように未来を予測すればいいのでしょうか?
その答えは「未来へ質問をし続ける」ことです。「未来はいったいどうなるのだろうか」「自分のビジネス、10年後、20年後どういう方向へ舵を切るべきか」と。

今は、このような質問を、ずっと、ずっとし続けることが何より大切です。
自転車も近くを見ていたらフラフラしますね。でも遠くを見れば、まっすぐこげるのと同じ。私たちの人生も一緒、何があっても前を見続けることが重要です。

考えてみれば、ここまでの経済は借金による経済、つまり、借金によって比較的容易に成功がつかめる時代でした。しかし、これからの時代は、資産を増やすというよりも「資産を失わない戦略」の方がずっと重要になってくるでしょう。少子高齢化、消費税の増税、相続税の増税など、自然災害以外にもさまざまな障害が待ち受けています。

そんな時代の中で、日本はどんな国になっていくのでしょうか?
これはもう間違いなく「知識」、「知のコミュニティー」が中心となる社会になると私は考えています。

戦後の日本は、製造革命、流通革命、情報革命を約20年スパンで過ごしてきました。製造業は無いものを作ればよかった。流通業はより早く商品をお届けする仕組みをつくればよかった。情報サービス業はインターネットを普及させ、とにかく速度をあげればよかったのです。

今やインターネットは私たちの日常の一部となっており、光の速さでどんな情報でも手に入いる時代となりました。そのおかげで、これから先は、過去の20年がわずか2,3年で過ぎてしまう、そんな猛スピードで駆け抜けていく時代になります。

インターネットの普及で、私たちは「記憶」する必要が無くなりました。
知りたいことはググれば(googleで検索すること)、必要な情報は今すぐ無料で手に入る時代になったからです。

しかし、こういった情報過多の中では粗悪な情報も含まれます。
このような時代を生き抜くためには、良質な情報を識別する「情報認識能力」と、情報にあらたな付加価値を与えることができる「情報生産能力」が必要になります。
未来に求められる人材はまぎれも無く「知的労働者」になるでしょう。
「知的労働者」だけが、これからの世の中を生き抜いていけるといっても過言ではありません。

では私たちが「知的労働者」になるためには、どうしたらいいのか?
ひとつだけ重要なポイントをあげるなら、それは「知的集団」とつながっておくことです。その「知的集団」こそが、今回のシンポジウムの登壇者がもっているコミュニティーであり、もしかしたら、今日ここにお集りの人たちでつくるコミュニティーになるかもしれません。

情報に付加価値をつけることは容易ではありません。しかし「知的集団」につながっていれば、自分のアイデアに仲間のアイデアを融合させ、あらたな付加価値を生み出すことができるのです。

<大家さんへのメッセージ>

今回の大震災で、自分自身の存在意義というものを見つめ直された「大家さん」は多いと思います。この国家的危機にいったい自分は何ができるのだろうかと。蓄えた資産も一瞬の出来事で無くなってしまうということも目の当たりにしました。どんなに蓄えた資産も「あの世」には持ってはいけません。

これからは、自分の資産を単に「増やし、守る」というよりは、自分の資産を「どう社会的に役立たせることができるか」的な姿勢をベースに活動することが大切です。

もし、そういうステージに大家さんが立ったなら、社会に対しても大きな発言力を持ち、世の中をより良い方向へ導くことができるようになります。

単なるいち地主、単なるいち大家で終わらないために、ここからが重要です。Go For It!!未来へ向けて、一緒に頑張っていきましょう!


<プロフィール>

浦田 健 (うらた けん)
明治大学商学部卒。不動産を通じ人と人を「幸せ」でつなげる!というVision
を掲げる不動産コンサルティングの第一人者。不動産コンサルティング会社の他、不動産管理会社、不動産投資会社を経営。全国700名を超える大家さんの経営指導を行っており、コンサルティング実績は延べ
1万件を超える。賃貸経営実務検定(通称:大家検定)を監修・認定する一般財団法人日本不動産コミュニティーの代表理事も務める。


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