3.11後の大家業はどうなる?! (藤山 勇司)

2011-07-06

藤山 勇司(ふじやま ゆうじ)

3月11日に起こった、東日本大震災。あれから二ヶ月半が経過しました。ただ、皆さんに留意してもらいたいことは、今も災害の最中であるという事実です。地震、津波、放射能の三大災害のほかに復興対策が遅々として進まない政権与党の体たらくも災害を拡大させています。社会党の党首でもあった村山富一氏が首相の時に起こった阪神・淡路大震災の際、震災から40日の間に18本の震災救済特別法が立法され、直ちに施行されました。一方、40日経過した4月の21日現在、一本の法律も提起さえされていません。旧態然とした災害特別救助法しかないのです。

こうした事態の中で貸家業は今後どうなるのか、電力供給の不安定化は企業活動を低下させ、消費意欲も減退してゆきます。結果として失業率は高止まり、6%以上の失業率は当たり前になることでしょう。家賃の値上げは望めず、家賃滞納発生は高くなることでしょう。家賃の遅れは直ちに保証会社に連絡するようにしてください。

また、仲介業者との連絡を今まで以上に取り、空室対策は積極的に行うべきであると考えます。立ち止まるのではなく、積極的なリフォームにも踏み出すことです。

大家さんの大半はどうして良いのか手をこまねいている方が多いのですから、インフラ整備を怠らない貸家は注目されます。室内の色調や外壁の色調は寒色系よりも暖色系の方が好ましいでしょう。何かと嫌なことばかりを耳にする日常の中、自宅では暖かい気持ちになっていただきたいものです。

土地や地盤調査に自信があるなら、物件取得に動くのも好機です。「人の行く裏に道あり花の山」と昔から言われますが、景気が翳った頃が仕入れ時です。軟弱地盤や津波の被害を受けない場所はまだまだあります。競売だけでなく、一般市場も値下がりが期待できるでしょう。物件を入手したならば、暖かく“ふっ”とくつろげるような空間を創造していただければと存じます。大家さんは生活環境のプロデュースの担い手でもあります。違いはそれを認識するかどうか。来場の皆さんにはワンステップ上の大家さんを目指していただきたいと存じます。

<大家さんへのメッセージ>
「今、わたしにできること」ACのフレーズが今も耳の奥に残っています。だからと言って、身内を犠牲にしたボランティアやリスクを考慮しない貸家の提供はなさらないでください。身勝手なボランティアや自己犠牲は周りの人に我慢を強いることがあります。そんなことは誰も望んでいません。できる範囲の中で構わないのです。


<プロフィール>
藤山 勇司 (ふじやま ゆうじ)
1963年、広島県呉市の生まれ。愛媛大学卒業後、大倉商事㈱に入社。1998年8月21日に勤務先が突然の自己破産宣告を申し立て、大家業に邁進。2003年、「サラリーマンでも大家さんになれる46の秘訣」を出版した後、執筆業と講演活動に従事。最新刊は『もし独身OLが「脱サラ不動産投資」に本気で取り組んだら』、不動産小説の新ジャンルの確立に注力している。


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