不動産投資市場データ/震災後の不動産投資ブログ傾向分析 (萩原 知章)

2011-07-06

萩原 知章(はぎわら ともあき)

関西の物件への反響が20%増加
被災地ではファミリー物件が不足

東日本大震災は、ここ10年くらいで不動産投資業界にもっとも大きなインパクトを与えた出来事だったと思います。
健美家に登録いただいている皆さんのブログを見ても、震災が全国の大家さんに与えた影響の大きさがハッキリとわかります。

震災前には時期的なこともあり、退去や入居の報告を聞き、落ち込んだり喜んだりといった内容が多く見られました。

しかし、3月11日を境にその内容は一変しました。「大家として被災者の方に何ができるだろう」「どんな方法なら力になれるのだろう」といった被災地の方々を思いやる内容が、次々と書き込まれたのです。

このほかに、物件の一極集中はリスクになるため分散投資をしたほうがいいといった意見や、千葉・浦安市の液状化の被害を受けて、 物件の地盤を調査するといった書き込み、地震保険は本当に有効か?といった話題なども見られました。東京電力の計画停電がはじまってからは、太陽光発電に関する記事も増えているようです。

このように、震災前と震災後で、不動産投資家の方々の関心は大きく変わっています。
しかし、だからといって買い意欲が減退したというわけではないようです。
健美家へのアクセス数を見ると、震災後の1週間は半減したものの、1週間を過ぎるとすぐに通常ベースに戻りました。特に関西の収益物件については、震災前より反響が約20%アップしています。

不動産業者さんからの情報といえば、仙台の業者さんから次のような話を聞きました。
その方いわく、仙台では震災で約2.5万世帯がそれまでの住居に住み続けられなくなったそうです。当時、仙台には空室が約3万戸あったのですが、多くがワンルームだったため、1世帯で3部屋借りるといった動向が見られたということでした。つまり、被災地では、ファミリー物件が十分ではないということです。

東京の建設業界の方からは、工事現場で起きている問題を聞きました。
いま、東京で一棟マンションや大型のアパートを新築する現場では、節電の影響で工事用の電源を引き込む許可が下りにくい上に、石膏ボードなどの建材が確保できず、工事が止まっているケースがあるそうです。ある工事関係者は、震災直後より今のほうが状況は厳しいといっていました。

不動産を所有する大家さんにとって、この震災はより多くの気づきと考える機会を得られたのではないでしょうか。それは入居者さんの安否であったり、物件の地盤や標高であったり、活断層や海からの距離であったり、耐震性であったり、普段はあまり気にしなかったことかもしれません。
この経験をどう生かすのか。私たちは真剣に考え、行動していかなければならないと思います。

<大家さんへのメッセージ>
被害が広範囲にわたった今回の地震では、被災された大家さんも多数おり、普段からの備えが重要であると感じた方も多かったことと思います。今の自分に何ができるのか。立ち止まらずに、一緒に考えていきましょう。


<プロフィール>
萩原 知章(はぎわら ともあき)
1974年 東京都生まれ。
慶應義塾大学大学院 計算機科学専攻 卒業。
1999年(株)ディー・エヌ・エー創業時にオークションサイト( BIDDERS )立ち上げに携わる。
2004年 自ら投資用物件を購入しようと、物件を探し始めたことをきっかけに、
収益物件検索サイト健美家(けんびや)を立ち上げる。
2011年現在、月間30万アクセス、利用者が13万人のサイトとなる。


Copyright(c) 2017 全国大家ネットワーク All Rights Reserved.