いま、大家さんがやるべきこと (長嶋 修)

2011-07-06

長嶋 修(ながしま おさむ)

日本の人と不動産の関係は、これからまだいくらでも幸せにすることができます。「大家さん」はもちろん、「入居者」も「社会全体」も、「業界全体」までもが同時によくなる「五方良し」といったステキな状況をこれから創ることができます。

住宅業界は「新築持ち家団体」が最も強く、次いで「宅建業界団体」、かなり遅れて「賃貸・賃貸管理系団体」という構図。彼らは団体として政策提言を行ったり集団で意思表明を行うことで、政治的にも力を持ちます。政治の世界から見れば彼らは有権者ですから、それに耳を傾けることとなります。このような構図の中で今の日本の人と不動産の関係は創られてきました。

一方で個人の大家さんはどうでしょうか。個人は分断され声も届かず、「借地借家法」始め各種の法律は未整備、家賃補助がないどころか新築持ち家を優遇され大家さんは不利な立場に甘んじています。

このままでは、いつまでたってもジリ貧です。

住宅の世界では、もちろんデフレや所得低下の影響を受け、空室や家賃下落などが大家さんの悩みの種でしたが、これらは住宅市場の根本的なゆがみが大きく寄与しています。まずはいかにこれまで虐げられてきたのかという現状を、大家さんが把握するところから。そしてその次の行動につなげることが大切です。

このような強情を打開するには、いったいどうしたらよいでしょうか?このシンポジウムはこういった強い問題意識から企画されました。これから大家さんに必要なのは大きく2ステップ。まずは「現状を把握すること」。そしてその上で「個人の大家さんが中心となった団体を立ちあげ、みんなで力を合わせ、要望を社会に表明すること」です。

個人の大家さんが終結し、お互いに勉強しあいながら、その声を社会に届ける機能として、個人の大家さんを中心として「大家さんの、大家さんによる“全国大家ネットワーク”」が立ち上がりました。私や関係者一同はこの動きを応援する、支援する立場として協力を惜しみません。


<プロフィール>
長嶋 修 (ながしま おさむ)
不動産コンサルタント。1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社、株式会社さくら事務所を設立。また、国土交通省などの委員も歴任し、08年にはホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立。初代理事長。メディア出演 、セミナー講師、執筆活動等、幅広く活躍中。『不動産投資「やっていい人、悪い人」』(講談社+α新書)他、著書多数。


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