賃貸市場に関わるすべての方々が幸せになるような仕組み (落合 淑彦)

2011-07-07

落合 淑彦(おちあい としひこ)

「全国大家ネットワーク HP」の立ち上げ、おめでとうございます&お疲れ様でした! と、設立に関わった人間が言うのもおかしいですが・・・・

私が5月28日の公開シンポジュームのパネリストの方々と初めてお目にかかったのは、確か4月7日、最初の準備会議の場でした。あれから3ヶ月弱、まずはここまで来ましたね。

当初シンポジュームでは、「3.11を契機として、大家業を考える」、ある意味“花火を上げる”ことが目的でしたが、その後約1ヶ月を経過して、このようなHPも立ち上がり、シンポジュームにご参加いただいた、150人以上の大家さんおよび賃貸業に携わる方々と共に、継続して“大家業”について考え、活動する場が提供されるということは本当に喜ばしいことです。

私はシンポジュームの“第2部”で次のようなお話をさせていただきました。
「3.11、未曾有の大災害を目の当たりにし、全国民が“自分は何ができるのか”を考えました。多く大家さんも、手持ちの空室を活用してもらいたいと考え、“仮住まいの輪・すまいりんぐ”のような活動が始まりました。

私はたまたま自治体の“災害時民間住宅一時借り上げ制度”の存在を知っていたので、改めてその制度の詳細を自治体に確認したところ、この制度が設計された際に“大家さんに事前了解を得る”というプロセスがないことにより、いざ災害が発生した後になって自治体から協力要請されても、大家さんの出来ることは限られてしまう、ということに気がつきました。

そこで、今後30年の間に予測される関東以南の大災害に対し、制度設計の見直しを自治体に伝えましたが、所詮個人の大家の声は行政には届きません。故に、本日お集まりになった大家の皆さんの声を一つにすることにより、災害に限らず、平時より我々のお客様である入居者様によりよい住環境を提供できるような、大家業の仕組み作りに参画できるようになろう・・・・・」

これは、パネリストの長嶋さんが最後にフリップでおっしゃっていた、“個人の力の限界”にも通じるものがあります。

シンポジュームでは時間に限りがありましたので、もう少し上記の主張を補足させていただくと、“災害時民間住宅一時借り上げ制度”は、事実上自治体と地域の宅建協会(不動産屋さん)の協定で、その仕組みつくりに大家さんは関わっていません。ただ、それも仕方が無い部分があります。なぜならば、このような協定を結ぶ際に仕組みつくりに参加できるような“大家さんの団体”が存在しないのですから。(←ちょっとこれは“言い過ぎ”ですが・・・・)

だからこそ、そのような団体が必要、というのが私の持論であり、シンポジュームに参加させていただいた背景です。

私は長年サラリーマンをしており、ある日突然“大家さん”になりました。それまで全く大家業の知識を持ち合わせていなかったので、まずは“不動産のプロである不動産仲介会社他”から、パートナーとしての協力を得る、という手法をとりました。一般の会社のサラリーマンなら極当たり前の“マネジメント”の考えかたですね。管理というサラリーマンの目で見ると、大家業って、「えっ、これって本当に変じゃない」ということが沢山ある、大家さん側にも、パートナーさん側にも、更に、賃貸市場全体を取り巻く環境すら、“変じゃん”と感じることが・・・・・・

大家さんは、基本的に個人事業(もちろん、形式としては法人もある)ではありますが、社会の一員としては、“組織の一部”と捉えられます。社会が組織で構成されている以上、そこにはルール(法律)が必要で、本来ルールはそこに参加する人々により作られるべきです。ところが、既述のように大家業に関しては、大家さんはその仕組みつくりに参画していないケースがあまりにも多い。行政は「大家さんは宅建業協会を通じてコントロールすればいい」という感覚でいる可能性すらあります。

ただし、上記のように“文句”ばかり言っていても事態は何一つ改善しません。先にも申しましたとおり、まずはどういう形であれ、“大家さんの、大家さんによる、大家さんの為の団体”を作り上げ、出来るだけ大家さんに集まっていただき、賃貸市場に関わるすべての方々が幸せになるような仕組み作りを改めて実現したいと考えております。

私もスタートから関わったスタッフの一人として、“全国大家ネットワーク”のために尽力いたしますので、大家の皆さんも是非応援をよろしくお願い申し上げます。


<プロフィール>

落合 淑彦 (おちあい としひこ)
1959年東京生まれ。早稲田大学卒業後、(株)リコーに入社し、海外/国内マーケティングを担当。2006年相続により突然「素人大家」となる。サラリーマン感覚で大家業を展開し、5年間の成績(4棟50室)は空室率3.7%。
最近は「水(満室経営)と空気(大家業を取巻く外部環境)、どっちも大事」を理念に、5人の大家さんと「行動する大家さんの会」を結成。「消費税・非課税問題」には一家言を持つ。


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