尊敬される大家さんになるための「最低限の行動」

2011-10-13

全国大家ネットワークという試みは、賃貸住宅にまつまるルール(法律など)に、大家さん自身も参加できるような社会を作ろうというのが、最初の設立目的です。
その目的のためには、政治的な活動や業界に携わる人たちの意識変革などが必要ですが、大家さん自身もそれ以上に変革が必要だと、ぼくが考えています。
簡単にいうと、「大家さんが尊敬される職業になる」ために努力しなければならないということです。

大家さんは民間人であるにも関わらず、社会に絶対に必要な「住まい」というインフラを提供している素晴らしい人たちですから、本来はもっと尊敬されても良いと考えています。そして、「大家さんを大切にしなければならない」という社会の認識ができあがってこそ、大家さんの立場が尊重された法制度などが、作られていくようになるのだと思います。

しかし大家さんは、世間的に「お金持ち」というイメージは持たれていても、今のところは「尊敬できる職業」という認識をされていないのが現状です。このような状況で政治運動だけを行っても、さしたる効果は期待できないかもしれません。とはいえ、いきなり大家さんが尊敬される社会になることも難しいです。
そこで登場する格言が「相手を変えるには、まず自分が変わる。」
賃貸経営上のお客さんである入居者はもちろん、不動産会社や銀行、税理士や税務署に至るまで、大家さんが「やましいことなく、胸を張って」いられることが、その第一歩ではないでしょうか。

ぼくは仕事柄、不動産関連のブログやメールマガジンを読んだり、他の大家さんと交流したりする機会が多いのですが、そこで時々登場するのが「こんなふうに、ズルいことをしたよ」という話。
税金をごまかしたという話を聞いたり、銀行への提出資料を××したという話が出たり。最近では地震保険金の不正請求の話などが多いですね。
震災の直後には、大家さんのブログで「震災前からあったかもしれないクラックを申告してみたら、簡単に保険金が下りてラッキー!」「ベンツでも買おうかな」なんていうあり得ない記事をいくつも見かけました。

そんな話は通常、周りから軽蔑されて然るべきなのですが、なぜかそれを聞いている他の大家さんが興味津々だったりして、完全に武勇伝状態になってしまっていることもしばしば。ばれない程度の法律違反をしながら上手に儲けるような人をヒーロー視しているようなコミュニティが、世間から尊敬の対象になるはずがありません。

また、大家さんの発言を読んだり聞いたりする人が、仲間の大家さんだけとは限りません。
マスコミ関係の人なら、ネット上でのそういう記事を恣意的に編集して、大家さんの社会的イメージを大暴落させることも可能でしょう。そういう取材記事と一緒に、例えば「退去時のクリーニングやシリンダー交換費用を入居者が払うのはおかしい!」などと世論誘導していくことも、かなり簡単にできてしまうに違いありません。
大家さんを取り巻く環境が、大家ネットワークがめざすものとは真逆に向かってしまうリスクが、今はまだ放置されているのです。

大家さんが尊敬される社会になって、もう少し公平なルールが制定されるようになるために、まずは一人ひとりの大家さんが意識を変革することが必須の条件であると思います。
モラルの高い、良い大家さんが増えるといいなと願っています。


<プロフィール>
寺尾 恵介 (てらお けいすけ)
不動産投資家 満室経営新聞 編集長
投資家けーちゃんとして知られる人気ブロガー。損害保険会社勤務時代から、北陸地方を中心に賃貸用不動産を取得し、コミュニケーション力を武器に、遠隔高稼働運営を継続中。
不動産業界最大のチャリティイベント「ハッピー&リッチ アパート経営フェスタ」の企画者でもあり、大家さんの社会的地位を上げる活動にも積極的に取り組んでいる。


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