大家さんが社会的に無視される理由

2011-10-19

例えば「更新料訴訟」の判決が出たとき。メディアでコメントをしているのは弁護士とか大学教授とか、不動産業界団体の理事など。なぜ「大家さん」のコメントがないのでしょう。不思議ですね。

国土交通省の社会資本整備審議会住宅宅地分科会にはかつて「民間賃貸住宅部会」というものがあり、「民間賃貸住宅の情報提供充実」「原状回復ルールの見直し」「家賃債務保証業務の適正化」「滞納が発生した場合の円滑な明け渡し」「裁判外紛争解決制度(ADR)の活用」など、大家さんにとって非常に重要な事柄について、ここで話し合いが行われ、その成果として報告書が取りまとめられました。今後、この方針の基づき、大家さんを取り巻く賃貸住宅市場のルールや予算が決められていくわけです。

この部会に参加しているメンバーの構成をよくご覧ください。大学教授。弁護士。業界団体。消費者代表など。

アレ?

なぜか、各種プレイヤー、利害関係者のうち、大家さんだけが入っていないのですよ。

※国土交通省 社会資本整備審議会 住宅宅地分科会「民間賃貸住宅部会」

このような状況のなかで、大家さんにとって納得のいく「ゲームのルール」が決まるわけはないのです。いくら「大家さんは悪者扱いだ」とか「大家さんは税制的にも不利だ」とかいってみたところで、はなからルール決めに参加していないのですから。

※消費増税で大家はいったいどうなる?

例えば賃貸住宅市場にまつわる社会的なトピックがあった際には「大家さん」という立場からコメントが出来る。政策や予算が決まる際には大家さんの声を意見としてきちんと届ける。まずはこういった当たり前のことを行う土俵を創りましょうというのが「全国大家ネットワーク」の趣旨です。

大家さんの社会的なプレゼンス発揮が可能となる土俵づくりに、私は貢献したいと思っています。私の人生の目的は「人と不動産のより幸せな関係を追求し、豊かで美しい社会を次世代に手渡すこと」ですが、まずは賃貸住宅市場が整備されなければ、始まらないからです。

全国大家ネットワークは、2011年4月を目安に「一般社団法人化」を目指します。現在、発起人を中心として「事務局」「政策提言委員会」「広報委員会」「コンテンツ委員会」「イベント委員会」「IT委員会」などが設置され、具体的な運用を準備中ですが、皆さんのご参加をおまちしています。

ご連絡は webmaster★oya-net.com まで(★を@に変えてお送りください)


<プロフィール>
長嶋 修 (ながしま おさむ)
不動産コンサルタント。1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社、株式会社さくら事務所を設立。また、国土交通省などの委員も歴任し、08年にはホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立。初代理事長。メディア出演 、セミナー講師、執筆活動等、幅広く活躍中。『不動産投資「やっていい人、悪い人」』(講談社+α新書)他、著書多数。


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